短いけれどギュッと詰まった4日間を無事に終えることができました。
回を重ねるごとに朝の出足が早くなるようで、駐車場にたどり着くまでが大変な状況の中、沢山のお客さま(実行委員会発表で17万8千人)にお越しいただきました。
益子まで来たけれど「これはダメだ」と引き返し、日を改めたという方もみえました。
実行委員会もこの点を何とかしなければと改善策を模索しているようです。私も何か対策できないだろうか…と考えたりします。何か思いついたら会議に参加している「城内広場」の代表に伝えたいと思います。
陶器市会場にたどり着くまで様々な難点をクリアして、来てくれたことに感謝します。
来春は4月27日~5月6日の10日間。スケジュール調整して、またお出かけくださいね。
お会いできる楽しみを糧に作陶を続けます。
*****
今回は体力・気力の限界もあり、PCに触れることもままならず。
遅ればせながら、以下に振り返りを記載していきます。
☆1日-陶器市前々日
10時頃からテント張り。
昨夜遅くに還元焼成の火を止めて、やれやれ何とか間に合ったかなとホッと一息。
29日に酸化焼成の窯出しをした際に、動くようにしてもらった窯の台車が再び動かず。窯屋さんに連絡。「今日は動けない」ということで明日。自分は土日も普通に仕事しているから気付かなかったけれど、日曜日でした。休日に連絡して申し訳ない。遠いのに30日9時頃には来てくれて、別の原因が判り午前中には片手でも引けるくらい軽く動くようになった。再び動かなくなったら、部品交換になるらしい。
原因はグリースを差し続けたこと。窯が来たときに既に全体重をかけて押し引きしないと動かない状態ではあった。ある人がグリースを差せばいいと教えてくれた。初めて差した時、今回直してもらって軽くなった以上に「軽い!!」感激して、それから十数年差し続けた。一般的なグリースにはカオリンが入っているそうで、それが段々と固まってくるのだそう。耐熱用の特別なグリースならいいけれど、高価だそう。今回、洗浄と他の原因を解消して動くようにしてもらった。部品の名称は忘れたが、軸とその周りを回る部品が高熱で溶けたグリースで接着してしまい動けない状態になっている。次回は、これを4輪分交換になる。私の腹膜と腸が癒着しているから腹筋が動かない。というのと同じだなと思った。数か月前の健康診査で初めて知った。約20年前に「今は瘦せているからいいけど、太るとお腹が凄いことになる」と医者に言われた。なにがどう凄いことになるのか、どうすれば防げるのか質問しなかった私の落ち度。今、筋トレをしているけれど、20年前からしていれば防げたと思う。腹筋が動かないから付いてしまった脂肪は落ちないのかもしれない。
窯の台車(車輪)も同じ。もし、普通のグリースを差している同業者の方がいたら、早めに洗浄してもらうことをお勧めする。
※お客さまには関係のないことですが、何人かでも見てくれている同業者に伝えたかったので。
*****
14時半頃、棚等のセッティングを終え、側面をシートで囲いもせず丸見え状態で帰宅。
後は、窯場で窯出ししたものを確認しながら、定価・青札・赤札ごとに分けて底すり。
☆2日-陶器市前日
展示スペースから展示品を運び、今回のと比較しながら窯場で値札付け。値札付けできた分だけコンテナ5個、玄関の展示スペースで使っていたテーブルや棚用板を拭き掃除してテントへ。器を棚に並べ終わり、側面のシートを吊るして帰宅しようとする頃に隣の小泉さんが荷を運んで来て、降ろして帰るだけだったのに、私のシート張りを手伝ってくれて、ありがたい&もうしわけない。22時近く。帰宅後、再び窯場で値札付け。
☆3日-陶器市初日
4時頃に値札付けの目途がつき、お茶道具や新聞紙等…忘れ物はないか…頭が回らず。コンテナ何個だったか積んでテントへ。5時半頃、城内坂入口から渋滞で動かず。20分位かかって城内広場の数メートル手前まで来たけど、待ちきれず対抗車線を走って広場に。7時前位に器を並べ終わり、再び帰宅して「しおり」をプリント。秋用の記事に変更している時間なく、春の記事を削除したのみ。
還元焼成の窯からお客さまに依頼されていたフチの補修をしたご飯茶碗と湯呑だけ抜き取りテントへ。
9時10分前位に着けたのか。どのテントも接客で大忙し。側面のシートをキチンと巻き上げる余裕も腕力もなく、ザッと上げる。待っていたお客さんが手伝ってくれようとしたが手が汚れるので「大丈夫です」と断ってしまった。よくない対応だったかもしれない。読んでくれているお客さんなので、この場を借りて「すみませんでした。気持ちはうれしかったです。」
開けると同時にお客さまがみえるので、おつりもしおりも出せていない状況はあわただしく、毎回来てくれるご夫婦もこの様子に驚いたことだろうと思う。ただ、今回は値札だけは付いているのでペースに乗れた後はスムーズだった。花を準備する余裕がなかったから、活けることもなく。当然のごとく「花留め」はあまり関心を持たれず、知っている人が再購入するくらい。
*****
初日、一番印象に残ったこと。
盛岡からみえた母娘。お友だちかと思っていたら、お母さんと娘さんだそう。「昔は田んぼの畦道の中を通ったりした。器もすっかり変わってしまい少し寂しいような気がするけど、楽しみに来ている。」と話すお母さん。相当年季の入った益子焼ファン。きっかけを尋ねたら「盛岡のイベントに参加した益子焼」だそう。出張販売は売るだけでなく、益子へ行ってみよう!と思ってもらえるきっかけ作りになっていると実感した。そして「長く使っていてフチ欠けしていませんか?」「欠けてないよ」の言葉にびっくり。最初に陶器の使用上の注意をキチンと教わったのか、穏やかな丁寧な暮らしぶりなのか……初日のいい出会いでした。
*****
帰宅後、還元焼成の窯出し。合間を見て底すり&値札付けをするため、全てコンテナに詰めてテントへ。明日いっぱいかかり、殆ど持ち帰ることになっても値札付けまで終わっていれば次回が楽だし、秋だから還元焼成が好きなお客さんがみえるかもしれないし。
☆4日-陶器市2日目
「秋の陶器市2000人目のお客さま」が恐らく誕生するであろう日。
南育想窯のテントで購入してくれたお客さま500人(組)毎に記念のプレゼントをしている。その2000人目が午後誕生。ご夫婦でみえて、奥さまが和紙柄の器の購入を迷っている。「購入するといいことがあるかも」と声掛け。「商売上手」と奥さま。少し迷って購入することに。
春は1000組毎、秋は500組毎にテント内のカップどれでもいいからペアで選んでもらってプレゼントしていると説明。「えーどれでもいいの。どうしよう。」このびっくりしてドキドキしている様子を見ているのが好き。できれば陶器市開始時にアピールして「当たるかも」とドキドキしながら選ぶ感じを来店者に味わってもらいたかった。時間が足りず、できなくて残念。
窯の修理が優先だろうと、ネットにつながらなくなったPCの買い替えに躊躇していた。しかし限界で午後買いに行こうと考えていたところに、友人から「緊急避難的に使えるかもしれないからPCを送ろうか」と連絡があり、今それを使っている。助かった。しかし、日が暮れる……のんびりこんと仕事をしてくれる。
話を元に。和紙柄アレンジのマグカップを選び、記念撮影&ここへの掲載に同意してくれた。
優しそうな旦那さまは、そのまんま。奥さまは表情が硬いけど、緊張してしまったそう。
あの時の感じがそのまま写っている。カメラマンが素人すぎましたね。プロのカメラマンは表情を和らげるような会話をして見事。道の駅ましこのオープンに合わせて写真撮りにいらしたプロに感じた。
*****
夕方近く、スーツの上着を腕にかけて訪れた男性。
緑の和紙柄アレンジのマグカップを選んで「あなたのところは色がいい」と褒めてくれた。赤札だったので説明しようとしたら「割ってしまったから来た」と判っているからというように説明を遮られた。「島岡や河井寛次郎、〇〇、〇〇……持っているけど、どうなってしまうんだろうな。子どもは全く興味ないし……」と話していて、亡くなってしまった隣人だった方も似たようなことを話していたのを思い出した。茶碗の趣味もあり、フチ欠けのことを「どうしてもほつれてきてしまうんだよな」と優しい言葉遣いをする方だった。「ほつれる」という表現をされるたび「焼き物を愛しているんだな」と思った。優しい心持ちになることを思い出させてもらった。
☆5日-陶器市3日目
毎回来てくれる女性が今回はお友だちと。「仕事が忙しくて来れない感じだったけど、無理やり来ちゃった。顔を見に行かないと…と思って。」 想陶記の更新がなく、どうなっているの?と心配してくれたかなと思えた。
還元焼成の器をお友だちと共に選んでくれて、昨日せっせと値札付けをした甲斐があった。
【頭のよくなる花】という表示が面白いとホームセンターで購入した「カランコエの改良種」を失敗した植木鉢に植えて展示していたが、3鉢のうち2鉢が行先が見つからないまま。受け皿に値札を貼っていたので皿の値段だと思われていたよう。1鉢目を購入した方も受け皿の価格だと思ったそうなので、判るようにメモを添えようと思っていた。2人で購入してくれたので不要になったが、今後気を付けたいこと。
☆6日-陶器市最終日
ブロンドの女性と入口の花留めを見ていた方。「ナイスアイディア」という単語は聞き取れたけれど、何もわからない。英語得意なんだなぁ、一緒に来てもらえると助かる。
ブロンド女性は煎茶碗とプレート形花留め、結びの花留めの3点セット(この組み合わせ購入が多い)。同伴の女性はプレート皿の最後の一枚と足付豆鉢、ぐい飲みとプレート形花留め。それぞれ選んで「陶芸を教えてないですか?」「よその陶芸教室の先生に頼まれて、そこの生徒さんに教えたことはあるけれど、毎週通っているタイプの教室」と話すと「そう、そういうの」体験陶芸の作品の受け取りに来たそうで、ブロンド女性(アメリカ人)が教室に通いたいと思っていて受け入れ先を探しているとのこと。会話が問題のようなので自分が付き添う。会話に問題のない陶芸家に当たったけど良い返事はもらえていないと。今、英語ができて陶芸教室もやっているご夫婦を思い出した。名刺をいただいているから教えてあげようか。テントの中を見て「アメリカで売れる。売りましょう。世界へ。お手伝いしますよ。」と体も大きいけど話すことも大きいと感心した。今まで接したことのある人とは異なる面白い出会いだと思った。
*****
午後、還元焼成の器ばかりを選んだ女性。「茶色いのが好き」と還元焼成の器のことをそう呼ぶ常連さんのお友だちかなと思った。お姉さんも益子焼のファンにし、お友だちも随分益子に送ったと話していたから、聞いてみればよかったと後悔。年頃が似ているし、前にも購入していると話していたから。今回の中では焼き上がりが一番いいと思っていた皿6枚の中の最後の1枚を選んだ。5枚は昨日いつも来てくれる女性とお友だちが。窯の中の入っていた場所と釉薬の量が良かったのだと思う。前回2020年秋に窯に入らず、今回まで釉薬がかかったまま窯場で待っていたのを釉薬を落としてから掛け直して焼いたもの。好きな人は限られているが、この感じで焼きたい。再現できるか。還元焼成は時々で、しかも釉掛けが安定しないスプレーガンだからなぁ。
*****
15時頃から片づけ始め、テントを移動してたたむ離れ業(?)で17時40分に私のをたたんで広場の全てのテントが終わり。それから残っている棚や台の片づけ。3往復で終わるはずが、積み方のミスで4回目も。途中、スーパーに寄る。最後の荷下ろしが終わったのが21時13分。途端にポツポツと来て、以前もそうだったなあと思い出し、焼き物の神様に守られているのかも…と都合のよい解釈をして終了。
*****
11月7日 21時 やっとここまできた。見直す元気なく、このままアップ。後日訂正があるかも。